神葬祭について

人が亡くなるという事は、その人の霊魂(たましい)が現世(この世)から、かくり世(あの世)に行く事です。霊魂の抜けた肉体(なきがら)は朽ちていきますから、霊魂を御霊代(霊璽・御鏡)に留めた後、これを丁寧に祀らなければなりません。わが国は、日本古来の霊魂観に基づき葬儀が行なわれていた事は古典の伝えるところです。ところが平安時代の末頃、次第に仏教による葬儀が普及し、特に江戸時代には、幕府がキリスト教を取り締まるために、国民にお寺の檀家となることを義務付けたので、葬儀は全て仏式で行なわれるようになりました。これに対し、江戸時代後期から明治にかけて、仏式にたよらないわが国本来の葬儀を求める運動が起こり、その結果、今日行なわれる神式の葬儀(神葬祭)となりました。

◎葬儀の前に※葬儀社・看護士の指示に任せて行なう

枕直しの儀・末期の水
医師が臨終の宣言をされたら、枕辺の者が眼を閉じさせ最後の水を含ませる。水は生命に最も大切なものである。このことから、今一度蘇ってくださいという 願いを込めて、故人の血縁の深い者から順に、新しい筆か割り箸に脱脂綿を 白糸で結びつけたもので、あらかじめ用意した水を含ませ、唇を湿らせる。昔は逆さ水と言って、たらいの水にお湯を入れ、故人の全身を洗い清めました。今日では、ガーゼにアルコールをつけて拭き清めるところもある。

湯灌(ゆかん)

昔は逆さ水と言って、たらいの水にお湯を入れ、故人の全身を洗い清めました。今日では、ガーゼにアルコールをつけて拭き清めるところもある。

故人の衣服と寝かせ方

湯灌の後、木綿または麻の白衣を着せ、男性は髭をそり、女性は薄化粧をして、頭を北に、仰向けに枕なしで新しい布団(薄物)に寝かせ、顔に白い布をかける。手は胸の上で組み、掛け布団は上下を逆さにして北向き、または西向きでもよい。

枕飾り

遺体安置後、枕元または胸の上に守り刀(頭に刃を向けない)を置く。枕元には白い屏風(なくてもよい)を立て、灯明を点して、前面に案を設けて、洗米・塩・水を供える。灯明は常に点し消えないようする。
帰幽報告神棚・祖霊舎に帰幽したことを報告し、前面に白紙(半紙)を貼る。このほかきらびやかな飾りや額も片付けます。外せない時は前面に白紙を貼る。尚、病気平癒などの祈願した神社があれば代参または遥拝して、祈願を解き、産土神社(氏神神社)に帰幽の報告をする。
納棺の儀

棺の底に白い布団か白木綿を敷き、遺族・近親者の手で遺体をゆっくり納める。棺の中には、故人が生前愛用したものや好きだったものを一緒に入れる。だが、 燃えにくいものや遺体(遺骨)を汚すおそれのあるものは入れない。 遺体を納めたならば、棺にふたをのせ、白い布で包み、通夜祭を行なう部屋に 移し台上に安置する。そして、棺に注連縄を張り廻らし禍神(わざわいをもたらす神)の侵入を防ぐのである。 
守り刀は、棺の上の頭の位置にあたる所に、柄を奥に刃先を外側に向けて置く。

◎葬儀※この祭儀より神職出向

通夜祭葬場祭の前夜に行う祭儀で、生前同様の礼を尽くします。 通夜祭は古来の「もがり」の遺風に由来します。命終わりたる後、葬儀を行うまで の間、棺の傍に家族・親族が終夜侍って、功績を称え、面影を慕いながら、夜を徹して霊魂が再び帰り蘇生することを祈ります。
遷霊の儀故人の霊魂を霊璽(れいじ)に遷し留める祭儀である。
葬場祭(告別式)故人に最後の別れを告げる祭儀で、神職が奏上する祭詞には故人の経歴や功績・人柄が読み込まれ、会葬者と共に故人の遺徳を讃え、在りし日の姿を偲ぶ、故人の終焉に際しての最も厳粛な儀式である。
発柩(出棺)祭葬場祭終了後、火葬場に葬送することを柩前に報告する祭儀である。
火葬祭遺体を火葬に付す際に行う祭儀である。

墓所(埋葬)祭

遺骨を墓地に埋葬する祭儀である。事情により当日埋葬できない場合は、日を改めて行うが、出来るだけ五十日祭までに納骨するのが望ましい。
帰家祭
埋葬終わって、喪主以下葬儀に関与した人々が帰宅の際、門口にて神職のお祓いの後、塩・水で清めてから家に入る。
喪主以下諸員が帰宅後、仮霊舎のご霊前において葬儀が無事終了したことを報告する祭儀である。

◎葬儀の後に

霊前祭仮霊舎に霊璽・遺影を安置し、これから神格化せんとする故人の御霊を慰める共に御霊が浄化・吉化されることにより、早く神様の高い列に加われるようにと行う祭儀である。
十日祭故人が帰幽してから十日後に行う祭儀(帰幽日を一日と数えて十日目)

二十・三十・四十日祭

十日毎に行う祭儀(遺族のみで行っても良い)
五十日祭五十祭は最も重要で祖霊舎合祀祭、忌明け清祓の儀も合わせて行う祭儀後は、祖霊舎の白紙(半紙)を取り除き、平常に戻す
百日祭
帰幽後百日目に行う祭儀
年祭
故人の御霊を慰め奉ると共に、より高い祖神となって頂くために、親族・縁者を招き、遺族親類縁者がお互いよくつとめている姿を報告する祭儀。特に五十年祭は、まつりあげと言い、個々の祭儀は五十年祭にて終了する年祭は満で数え、命日が当日無理なときは引き寄せます
祖霊祭
霊前祭、年祭と同様の意義ある祭儀

初盆祭

初盆(8月13~16日)に行う祭儀(五十日祭が済んでいなければ翌年)

盆祭

盆(8月13~16日)に行う祭儀

正辰祭

故人の毎年の命日に行う祭儀

春季祖霊祭

春分の日に祖霊祭・墓参を行う

秋季祖霊祭

秋分の日に祖霊祭・墓参を行う