国宝太刀 銘「國宗」の紹介
刃長81.4㎝
反り2.7㎝
元幅3.3㎝
先幅2.0㎝
照國神社蔵 黎明館受託

国宗は備前国の刀工で、同国の一文字派や長船派と系統を異にする直宗派である。同銘が二代ないし三代にわたっているので、その作刀期間は鎌倉中期から末期にかかっている。初代国宗は備前三郎と称し、後に京の粟田口派の刀工国綱と共に鎌倉幕府に召されて鎌倉鍛冶の開拓者の一人となったが、その作風は備前伝に終始して得意の華やかな丁子刃を焼いた。この太刀は身幅広く、腰反り高い踏張りのある堂々とした姿に、鎌倉時代中期の特色がある。